筋トレ:高齢者こそ筋トレをすべきだ

★日本は「長寿大国」ではない
平均寿命は男女とも80歳を超えるが、最後の10~12年は、要介護ないし寝たきりの状態で過ごしている。平均寿命は伸びているが、「健康寿命」は伸びておらず、日本の「長寿」の本質は、寝たきりの期間が伸び続けている(おそらくは延命治療技術の進歩で)というに過ぎない
★寝たきりになって歩けなくなるのは、筋量が減っているから
加齢による筋量と筋肉の減少(サルコペニア)は二十代から始まっている。特に下肢の筋量の減少が著しく、二十歳と比べると、六十歳で20%、七十歳で30%、八十歳で40%、筋肉を失っている。一度入院すると15%以上筋肉を失なう。一か月も入院すれば50%失うことも珍しくない。入院時までの筋量のバッファーが小さい人は、一気に寝たきり生活に突入することになる。歩けるようになっても、筋力がないから、パーキンソン病のすくみ足のようなちょこちょこ歩行になる。ちょこちょこ歩行は転びやすく、二度目の入院でいよいよ寝たきり人生が確定する。
★筋トレ以外に解決策はない
高齢者の最大の関心事は健康であり、高齢者メディアである新聞やテレビのターゲット広告も健康食品やサプリの広告が多い。しかし、その手の広告は典型的情弱商売で、本質的な解決策になるわけがない。歩行は、一定の筋量と筋力がなければ不可能である。
★筋トレは骨や靭帯に悪いというのは迷信
むしろ適度な重量で骨に刺激を与え続けないと、加齢による骨粗しょう症が進行する。骨に物理的刺激を与えると、微量電流が骨に伝わり、骨の強度が増す。骨の強度を増すためには、マシンよりフリーウェートがヨリ望ましい。
★トレーナー自身の意識改革が必要
高齢になってからのトレーニングは、多くの場合トレーナーのサポートが必要だが、大手ジムのトレーナーを観察していると、トレーナー自身が「諦めて」おり、老人の話し相手になって時間をつぶしているような輩が多い。またトレーナー自身が、「高齢者にはマシン」「フリーウェートは危険」という偏見を持っており、高齢者対象のウェートトレーニングのノウハウ、経験の蓄積がない。ただ、多くのジムのフリーウェートコーナーは、20キロのバーベルしかなく、プレートもマイクロマジしがたい重量になっている。高齢者に使い勝手の良いスペシャリティバーも普及していない。今後の改善が期待される。

グレイスティールのジョナサン・サリバン博士による解説
https://www.youtube.com/watch?v=A2jUBUdbJQo&t=101s

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